子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)が、令和3年11月26日付の厚生労働省通知により、積極的な接種勧奨の再開が決定されました。

 現在、日本国内で使用できるHPVワクチンは、サーバリックス(2価ワクチン)、ガーダシル(4価ワクチン)、シルガード9(9価ワクチン)の3種類あります。これまでサーバリックスとガーダシルは公費で定期接種ができ、シルガード9を希望される場合は自費での接種でしたが、令和5年4月よりシルガード9も公費での定期接種ができるようになり、当院でもシルガード9の接種を予定しております。

HPVワクチンの種類

サーバリックス(2価ワクチン)は子宮頸がんの原因の70%を占める16型と18型の発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防し、ガーダシル(4価ワクチン)は16型と18型に加えて尖圭コンジローマの原因となる6型と11型のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染も予防します。
シルガード9(9価ワクチン)は4価に加えて、さらに5種類の発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防し、子宮頸がんの原因の80〜90%を防ぐと考えられています。

 

図1

厚生労働省の資料より

 

HPVワクチン接種対象者

  • 定期接種
    小学6年生〜高校1年生相当の女性。

  • キャッチアップ接種※
    誕生日が平成9年4月2日〜平成18年4月1日で過去にHPVワクチン接種を合計3回受けられなかった女性。
    ※平成25年〜令和3年の、HPVワクチンの積極的な接種勧奨が差し控えられていた間に、公費での接種機会を逃された女性に令和4年4月〜令和7年3月の3年間の期間限定で公費で接種できます。

HPVワクチン接種のスケジュール

  • ガーダシル(4価ワクチン)
    3回接種です。初回接種(0ヶ月)、2回目(2ヶ月)、3回目(6ヶ月)

  • シルガード9(9価ワクチン)
    3回接種と2回接種があります。3回接種はガーダシルと同様です。2回接種は、9歳以上15歳未満で初回接種(0ヶ月)すれば、2回目(最低5ヶ月以上の間隔を置いて)接種での完了が可能です。

ガーダシルで1回目または2回目を接種し、残りの2回目、3回目にシルガード9を接種する交互接種は可能です。

 

図2

 

HPVワクチンは、接種後のHPV感染を防ぐためのもので、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸がんを治療する効果はありません。ワクチン接種は、子宮頸がんにかかる可能性をかなり低くするものの、子宮頸がんにかかる可能性をゼロにするものではありません。ですから、接種をすれば子宮頸がん検診の必要がなくなるというわけではなく、接種を受けた人でも定期的に子宮頸がん検診を受けることは必要です。

子宮頸がんを完全に防ぐためには、定期的な子宮頸がん検診、HPVテスト、ワクチン接種のいずれもが大切です。

 

関連リンク

子宮頸がん、子宮頸がん予防ワクチンについて、もっと知って欲しい大切な情報を発信しています。

子宮頸がん予防情報サイト もっと守ろう.jp

ヒトパピローマウイルス感染症
~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~

HPV/松江市ホームページ

 

HPVワクチン無料キャッチアップ接種に関する動画

日本産科婦人科学会が作成に協力したHPVワクチン無料キャッチアップ接種に関する動画が公開されました。

YouTube (本編)