子宮がんは、子宮の入り口にできる子宮頸がんと子宮の奥の方にできる子宮体がんに分けられます。 
卵巣がんは、「沈黙の腫瘍」とも言われ、初期には全く症状がなく、早期発見が難しいがんです。

子宮頸がん検診について

子宮頸がんは、ほぼ100%がヒトパピローマウィルス(HPV)というウィルスの感染が原因であることが明らかになっております。

ヒトパピローマウィルスは、現在まで100種類以上のタイプが知られていますが、このうち約15種類前後が子宮頸がんと関連があり、発がん性HPVと呼ばれます。

発がん性HPVは、多くは性交渉によって感染しますが、ほとんどの女性が一生に一度は感染していると言われており、とてもありふれたウィルスです。

発がん性ウィルスに感染しても90%以上は、一過性感染で自然に体内から消失しますが、まれに感染が持続し、その中のごくわずかに子宮頸がんを発症すると言われております。

最近、子宮頸がんは、20代から30代の女性に急増しています。子宮頸がんになった場合、子宮を摘出しなくてはならなくなったり、がんがもっと進行していれば、生命をもおびやかします。

定期的な子宮がん検診、HPV感染を調べる検査(HPVテスト)、子宮頸がん予防ワクチンの接種により、子宮頸がんは予防でき、またがんになる前に発見し、子宮を失わずに治療することも可能です。

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子宮体がん検診について

子宮体がんは、閉経前後の50代から60代の女性に最も多くみられます。

卵胞ホルモン(エストロゲン)との関連が言われており、乳がん治療に「タモキシフェン」という薬剤を用いている場合や、更年期のホルモン補充療法としてプロゲステロンを併用せずにエストロゲンだけを投与されている場合などは、子宮体がんのリスクになります。

不正性器出血、特に閉経後に不正性器出血を認める場合や、超音波検査で子宮内膜の肥厚が認められた場合は、是非子宮体がん検診を受けてください。

 

卵巣がん検診について

卵巣がんは、子宮の両側にある親指大の卵巣にできるがんです。お腹の中にできるため、初期にはほとんど自覚症状がなく、そのため早期診断が難しく、約70%は進行がんで発見されます。

卵巣がんを初期のうちに発見するのは難しく、子宮がん検診のように定期的に受診することが早期発見、早期治療に結びつくとはかぎりませんが、年に1回の子宮がん検診や、他の症状で婦人科受診の際には併せて、超音波検査で卵巣の状態をチェックし、必要なら腫瘍マーカーの採血もすることをおすすめします。

卵巣がんの患者さんにあとから伺うと、「数ヶ月前よりお腹が出てきた」、「時々下腹部痛があった」。などの症状があることが多いです。 腹部膨満感、下腹痛、頻尿、疲労感などの症状が続くようでしたら、「最近、太ってきたようだ」などと自己判断せず、可能性のひとつとしての卵巣がんを除外するためにお気軽に受診ください。